Webディレクターの役割

近ごろ、ディレクターの担当範囲について質問されることが増えてきました。
もちろん状況によって異なる部分もありますが、今回はその考え方について少し整理してみたいと思います。
複数のプロジェクトを並行して担当したり、案件の規模が大きくなってくると、チームで動く必要が出てきます。
理想を言えば、すべてのスキルを備えて1人で完結できるのがベストですが、それには別のリスクや継続性の問題が伴います。
誰がどの部分を担当するかは、会社やプロジェクトの性質によって異なりますが、Web制作会社でよく見られる役職としては以下のようなものがあります:
・プロデューサー
・ディレクター
・テクニカルディレクター
・デザイナー
・コーダー
・デバッガー….
……といった人たちです。
この中でも特に役割が曖昧になりがちなのが「プロデューサー」と「ディレクター」です。
もちろん、両方を兼務できればスマートですが、それぞれの役割が異なるため、分担した方が合理的です。
では、その線引きはどこにあるのでしょうか?
映像制作の現場では、プロデューサーは制作部、ディレクターは演出部に所属し、それぞれの役割が明確に分かれています。
シンプルに言うと、ディレクターは「映像の中」を担当し、プロデューサーはそれ以外すべての責任を持つ、といった構図です。
例えば、予算の確保、納品スケジュールの管理、スタッフのアサインやスタッフのケア(食事や環境整備)などはプロデューサーの役目。
一方で、プレゼン資料の内容、撮影用の小道具やセット、タイムテーブル(撮影スケジュール)、撮影指示や編集などはディレクターの領域です。
つまり、プロデューサーはプロジェクトの枠組みを整える役割、ディレクターは中身(コンテンツ)を作る役割です。
とはいえ、同じゴールを目指している以上、互いの業務を補完し合うことも不可欠です。
たとえば、予算を決めるには内容の把握が必要ですし、ディレクターは必要な小物やセットについてプロデューサーと相談しながら進めます。
予算と内容のバランスは、ときに相反することもあります。
その調整を1人で行うのは非常に難しく、だからこそ役割の分担が重要なのです。

では、Web制作の現場ではどうでしょうか?
営業担当がプロデューサーを兼ねるケースが多く見られます。
クライアントからの要件や予算、スケジュールをとりまとめて制作チームに依頼し、デザインやコーディングといった作業が始まります。
ただし、営業プロデューサーは予算やスケジュールでのみ評価されることが多いため、ついコスト優先の選択をしがちです。
そこで、ディレクターの役割が重要になってきます。
要求内容やサイト全体の構成、ユーザビリティ、他システムとの連携などを踏まえて、品質を担保するのがディレクターの責任です。
もちろん、ビジネスである以上、予算や納期には限界があります。
「もちろん、お金をかければ良いものになるのは当然ですが……」
様々な制約の中で、いかに使いやすく、いかに効果的に成果を出せるかが、ディレクターとしての腕の見せ所です。
特にWeb制作では、進行管理もディレクターの重要な役割となります。
実務においては、この「進行役」が非常に重要で、どの現場でも不足しており、最も求められているポジションだと感じます。
結局のところ、プロジェクトを円滑に進めるには、多くの人の協力が欠かせません。
では、どうすればスムーズに協力体制を築けるのでしょうか?
難しいかもしれませんが、だまされたと思って、プロジェクトの立ち上げ時に「オールスタッフミーティング」を実施してみてください。
メンバー全員が自己紹介し、自分の担当を簡単に共有するだけの場ですが、役割分担や立ち位置が明確になることで、驚くほどの効果を発揮します。
私の場合。
「えっと…ディレクターと制作進行やります…どうぞ、よろしく」…てな感じです
では、また。
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