■「彼女(彼氏)が家で待っている。」との文章を見たら
あなたは、何を想像しますか?

あたたかで穏やかな彼女(彼氏)が家で待っていてくれるのでしょうか?
それとも何か重要な事を伝える為の待っている?
怒っているのでしょうか?
あなたがこの文章を見てどうおもいますか?
楽しい言葉?怖い言葉?
どちらでしょう?

まるで心理テストのようになってきてしまっていますが・・・・
何が言いたいのかというと「文章」の不完全さと限界についてです。

すこし話がそれてしまいますが
歌や小説などの「文章」で、
名作と言われる作品は、
4割程度の表現で6割を想像させるものだそうです。

湊かなえさんの「告白」を読んでみてください。
(ネタバレになってしまったらごめんなさい。)

それぞれの登場人物の時間軸が交差しながら
全体のストーリーが展開していき結末を想像させるやり方で
最後の最後、私は3つのエンディングを想像しました。


「こんな作品を創るなんてなんてすごい!」といっても、
WEBディレクターはこのような「作品」をつくるのではありません。


ディレクターには、逆の事が要求されるのです。
6割以上の指針を示してあげる必要があります。

それぞれの人が6割の想像をしていたら、仕事は進められません。
じゃあ「10割指示すればいいじゃないか?」と思うかもしれません。
理想はそうかもしれませんが、それは「プロ」の「ディレクター」としての仕事ではなくなってしまいます。(「プロ」については後述します。)

そう「彼女(彼氏)が家で待っている。」の言葉だけだと、受け手の状況によって変化してしまいます。
つまり、9割を想像するしかないのです。
エンターテイメントとしては楽しいかも知れませんが仕事ではちょっと・・・

あなたの想像する状況を理解してもらいたければどうすればいいでしょう?
どのような状況か、沢山の「文章」を加筆する事でも、叶うかも知れません。
しかし、それは読み手の時間もあなたの時間もかかることで、同じ環境でこそ成り立ちます。
(不完全なもので不完全な補足を重ねるというのもどうかとは思います。)

私は、フィリピン人デザイナーたちと何年か仕事をする機会がありましたが、
「正月の風景」を描いてもらったときに「ゲイラカイト」「やしの木」の背景があがってきたときは腹を抱えて笑いました。

最も簡単で効率的な方法は、この文章を読んで聞かせる事です。
声にのることで「悲しいのか?」「楽しいのか?」一気に伝える事が出来ます。
会うことが難しくても電話一本で伝達効率がかわるのです。
何も指示は文章(メール)だけでする必要はないのです。
何気ないことでも声に出して語りかけることですべてがかわります。
これから、言葉を扱うことが仕事になってしまったので
はじめに言葉ありき・・・・まずは、朝の挨拶から声を出してみてください。
きっと今までと違ったものが見えてきますよ。

あ、すいません、今日は、そろそろ彼女が家で待っているので早く帰ります。(笑)

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